警視庁物語　魔の伝言板

蛇のように首筋へ喰い込む麻縄。断末魔の指先が空間をかきむしる。メーターを照らす豆電球の下に浮かび上がる運転手の惨殺死体。ここ4回、連日のように発生したタクシー運転手殺しは、都内を恐怖のどん底へ落とし込んだ。警視庁捜査陣は連日パトカーを駆使して事件究明を急いでいた。すると、木に衝突したタクシーから怪しい三人組が逃げるのを発見、一人を逮捕する。タクシーのトランクから5人目の犠牲者となった運転手の惨殺体が発見された。さらに逃走した二人のうち一人を逮捕。先に逮捕されたのは北野と言い、職業安定所で残る一人の逃走した男で通称三チャンと知り合って今回初めて犯行に参加した。北野の証言で2番目に逮捕された男は前科6犯の小川と判明、逃走中の男は大沼三之助らしいことがわかる。また、4回目のタクシー強盗犯は大胆にも運転手殺害後に運転手に成りすまして客を乗せていたことが発覚。客として乗車した踊り子サリー町田の証言から、高岡という男が捜査線上にあがる。