陰謀のセオリー

"陰謀"のことなら、ニューヨークのタクシー運転手ジェリー・フレッチャー(メル・ギブソン)に聞けばいい。世の中を陰で操るフィクサーから暗躍する殺し屋まで、何でも教えてくれる。そんな彼は司法省の検察官アリス・サットン(ジュリア・ロバーツ)に、ある特ダネを披露した。一笑に付されたものの、それが笑い事ではないことを、程なくして2人は思い知ることになる。2大スターが仕組むサスペンスとロマンスと意外な展開に、興奮は渋滞時のタクシーメーターみたいに上がりっぱなし。果たしてジェリーが発行するニュースレターの陰謀説は、妄想ではなく真実なのか。その存在を彼らもろとも抹殺しようと、謎めいたDr.ジョナス(パトリック・スチュワート)とその一味が2人に迫る。「はっきり分からないが、とてつもない陰謀だ」とジェリーは言う。分かるのは、『陰謀のセオリー』がとてつもないエンターテイメントだということだ。