第2話 支配者

推しのアイドルへときめいてしまった結果、首輪が反応しアイドルオタクの大原が脱落してしまった。目の前でその事実に遭遇した5人。どこかで疑っていた「ときめくと死ぬ」というAI犬が課したルールが、この時始めて現実のものだと理解したのだった。
絶望に打ちひしがれている中、再びAI犬の陽気な声が響く。
「最初の脱落者おめでとう！お祝いにみんなには食糧をプレゼントするよ。」
生き延びるためにわずかに与えられた貴重な食糧や毛布。それぞれが分け合おうすると、合田が強引にすべての食糧を奪い去ってしまった。
「希望者がいれば、ひとりだけ舎弟にしてやってもいいぞ」
その支配的な言葉を受け入れた杉浦が合田を追いかけて行く。
死が迫った現実を前に、引き裂かれた5人。その亀裂の先に待っていたのは…。