新解釈番町皿屋敷　お菊寺

お菊寺。そこは、人に災いをもたらす恐怖体験を供養する寺。中でもカウントダウンを意味する『数下り』の体験談は、命のみならず、魂をも奪う戦慄の回顧録。この作品は、３００年以上続くこの寺で供養された10000件以上にのぼる“数下り談”を映像化したものである。
監督の藤井秀剛氏はつんく♂氏に見出され監督デビュー、処女作「生地獄」（2000）はトロマピクチャーズのロイド・カウフマンに絶賛され、ホラー映画界でその名が知れ渡る。
『超擬態人間』（2019）は、世界三大ファンタスティック映画祭の1つ、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭アジア部門にて、日本人初のグランプリ受賞という快挙を成し遂げた。
本作でも「生地獄」（2000）でみせたスプラッター描写や、「狂覗」（2017）同様の緻密に計算された演出力を遺憾なく発揮している。また名作「犬神家の一族」等の邦画クラシックサスペンスの世界観も感じさせる、重厚感溢れる作品に仕上がっている。プロデューサーを務めたのは『探偵物語』『太陽にほえろ!』『波の盆』の山口剛。