カンダハル 突破せよ

ホワイトハウス占拠、潜水艦VSクーデター部隊、巨大彗星の地球直撃……数々の危機を満身創痍で乗り越えてきた孤高のアクション俳優、ジェラルド・バトラー。今度のミッションは、敵地のド真ん中に取り残されたCIA工作員が繰り広げる孤立無援の脱出アクション！製作には『ジョン・ウィック』シリーズのプロデューサーほか強力な布陣が名を連ね、バトラー自身も参加。監督をつとめるのは、バトラーとは『エンド・オブ・ステイツ』（19）、『グリーンランド－地球最後の2日間－』（20）に続く3度目のタッグとなるリック・ローマン・ウォー。荒涼たる中東の大地を舞台に、三つ巴・四つ巴のはてしなき追跡劇が幕を開ける！
本作のストーリーは、元CIA・NSA局員のエドワード・スノーデンによる2013年の内部告発・情報漏洩事件と、同時期にアメリカ国防情報局の職員としてアフガニスタンに赴任していたミッチェル・ラフォーチュンの実体験をベースにしている。映画用脚本はラフォーチュン自身が書き下ろし、現在進行形の複雑な中東情勢を踏まえたリアリティと、手に汗握るスリルとアクションを兼ね備えた堂々たるエンタテインメントとして完成した。
中東からの緊急脱出を余儀なくされる主人公トム・ハリス役のジェラルド・バトラーは、死と隣り合わせの任務にも臆せず挑むプロの潜入工作員を骨太に演じつつ、逃避行のなかで人間性を蘇らせていく人物像をリアルに体現。そんな彼を容赦なく追撃するイラン革命防衛隊の精鋭集団・コッズ部隊、パキスタン軍統合情報局（ISI）の刺客など、さまざまな勢力が複雑に入り乱れる「追う側」のアンサンブルドラマも大きな見どころだ。各々の国家的背景に加え、個性豊かな人間味を併せ持つキャラクター描写が、これまでのアクション映画にない深みを与えている。
運悪くトムの逃避行の道連れとなるアフガニスタン人通訳・モー役を演じるのは、人気ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」（05～10）、「HOMELAND/ホームランド」（～13）などにも出演するイラン出身の名優ナヴィド・ネガーバン。また、ハリウッドとボリウッドを股にかけて活躍する注目株アリ・ファザールが、バイクを乗り回すキザなISIエージェント・カヒル役で出演するなど、国際的キャストの顔ぶれにも注目。
迫力満点のアクションシーン、続々登場する重火器描写からも目が離せない。度肝を抜く冒頭の核施設大爆破シーンに始まり、激しい銃撃戦やカーチェイス、夜の砂漠で繰り広げる武装ヘリとの死闘、そして巨大な爆炎が地平線に立ち上る圧巻のクライマックスまで、全編多彩な見どころ満載。アクション映画ジャンルの次なる進化を目指す、バトラー＆ウォーの最強コンビによる新たな意欲作である。