エンジェル
1983年
字幕
アメリカ
単に興味本位での設定ではなく、必死に、素直に生きようとする少女を通して、友達への愛、大人たちの世界、夜の友人たちとの暖かな交流など、一般社会からはみだしてしまった人々の生き様を熱い視線で描いた衝撃作。1984年1月、ニューヨークで公開され、バラエティ誌の興行収入TOP50の第5位にランクインして初週で220万ドルの興行収入を記録する大ヒット、新しいジェネレーションの世相を反映した新しい映画として注目を集めた。15才の少女の売春という現象を通して、少女たちの置かれた状況、狂気みなぎる都市に出没するマザー・コンプレックスの変質者などを織り交ぜながらスリルに満ちた、老若男女に受け入れられる見事な作品に仕上げたのは、同様に夜の街を舞台に連続殺人鬼と刑事の攻防戦を描いた『ザ・モンスター』の脚本を手掛けたロバート・ヴィンセント・オニール。リチャード・ラッシュ監督の『嵐の青春』(67)や『七人の無法者』(68)、さらには『イージー★ライダー』(69)の小道具担当として映画キャリアをスタートさせたオニール監督は、『THE PSYCHO LOVER』(70)や『WONDER WOMAN』(73)などのB級ドライヴ・イン・シアター向け映画を経て80年代にロサンゼルスの街を舞台としたサスペンス・スリラーでその才能を開花させた。『ザ・モンスター』の脚本執筆中にアイデアを思い付いたという『エンジェル』では、長期間ハリウッド・ブルバードに出向き脚本を練り、脚本に沿ってロケハンを行うのではなく、ロケーションの場所ありきで脚本を書きあげている。監督いわくハリウッド・ブルバード自体が作品の主役であるという。撮影はハリウッド・ブルバードとハイランド・アベニューの交差点をメインに、毎夜50人以上のスタッフ、400人以上のエキストラが参加して行われた。その撮影では一晩で35カット以上という超ハードなスケジュールで、多くのエキストラにより誰が何をするのかわからない者や知らない者も紛れ込んでの混乱で、映画の撮影とは関係ない行為におよぶ者もあらわれたという。主演のドナ・ウィルクスは23才で15才の役を熱演、実際の娼婦に取材をするなど入念な役作りでスタッフを驚かせるとともに安心させた。撮影は『野獣捜査線』(85)『刑事ニコ/法の死角』(88)『ハリソン・フォード 逃亡者』(93)『コラテラル・ダメージ』(01)などの監督作を誇るアンドリュー・デイヴィス。光を自由自在に操るその技術で監督の求める鮮烈な夜のロサンゼルスをフィルムに刻んだ。約300万ドルの製作費に対し、初公開時全米で1,700万ドルを超える興行収入を記録、ロジャー・コーマンが設立した会社NEW WORLD PICTURESが配給を手掛け、その年の同社最大のヒット作となった。コーマンが同社を売却後の第一弾作品であり、同社のポスト・コーマン時代を支えることとなった重要作。そのあまりのヒットぶりにすぐさま続編『ストリート・エンジェル/復讐の街角』(85)が企画されたが、ドナ・ウィルクスの事務所が高額のギャラを要求、プロデューサーのサンディ・ハワードが激怒しキャストを変更せざるを得なくなった。その後の第三弾『エンジェル3』(88)含めて2本の続編が作られたがいずれも内容、興行ともに失敗に終わった。
エピソード全1話
作品紹介
単に興味本位での設定ではなく、必死に、素直に生きようとする少女を通して、友達への愛、大人たちの世界、夜の友人たちとの暖かな交流など、一般社会からはみだしてしまった人々の生き様を熱い視線で描いた衝撃作。1984年1月、ニューヨークで公開され、バラエティ誌の興行収入TOP50の第5位にランクインして初週で220万ドルの興行収入を記録する大ヒット、新しいジェネレーションの世相を反映した新しい映画として注目を集めた。15才の少女の売春という現象を通して、少女たちの置かれた状況、狂気みなぎる都市に出没するマザー・コンプレックスの変質者などを織り交ぜながらスリルに満ちた、老若男女に受け入れられる見事な作品に仕上げたのは、同様に夜の街を舞台に連続殺人鬼と刑事の攻防戦を描いた『ザ・モンスター』の脚本を手掛けたロバート・ヴィンセント・オニール。リチャード・ラッシュ監督の『嵐の青春』(67)や『七人の無法者』(68)、さらには『イージー★ライダー』(69)の小道具担当として映画キャリアをスタートさせたオニール監督は、『THE PSYCHO LOVER』(70)や『WONDER WOMAN』(73)などのB級ドライヴ・イン・シアター向け映画を経て80年代にロサンゼルスの街を舞台としたサスペンス・スリラーでその才能を開花させた。『ザ・モンスター』の脚本執筆中にアイデアを思い付いたという『エンジェル』では、長期間ハリウッド・ブルバードに出向き脚本を練り、脚本に沿ってロケハンを行うのではなく、ロケーションの場所ありきで脚本を書きあげている。監督いわくハリウッド・ブルバード自体が作品の主役であるという。撮影はハリウッド・ブルバードとハイランド・アベニューの交差点をメインに、毎夜50人以上のスタッフ、400人以上のエキストラが参加して行われた。その撮影では一晩で35カット以上という超ハードなスケジュールで、多くのエキストラにより誰が何をするのかわからない者や知らない者も紛れ込んでの混乱で、映画の撮影とは関係ない行為におよぶ者もあらわれたという。主演のドナ・ウィルクスは23才で15才の役を熱演、実際の娼婦に取材をするなど入念な役作りでスタッフを驚かせるとともに安心させた。撮影は『野獣捜査線』(85)『刑事ニコ/法の死角』(88)『ハリソン・フォード 逃亡者』(93)『コラテラル・ダメージ』(01)などの監督作を誇るアンドリュー・デイヴィス。光を自由自在に操るその技術で監督の求める鮮烈な夜のロサンゼルスをフィルムに刻んだ。約300万ドルの製作費に対し、初公開時全米で1,700万ドルを超える興行収入を記録、ロジャー・コーマンが設立した会社NEW WORLD PICTURESが配給を手掛け、その年の同社最大のヒット作となった。コーマンが同社を売却後の第一弾作品であり、同社のポスト・コーマン時代を支えることとなった重要作。そのあまりのヒットぶりにすぐさま続編『ストリート・エンジェル/復讐の街角』(85)が企画されたが、ドナ・ウィルクスの事務所が高額のギャラを要求、プロデューサーのサンディ・ハワードが激怒しキャストを変更せざるを得なくなった。その後の第三弾『エンジェル3』(88)含めて2本の続編が作られたがいずれも内容、興行ともに失敗に終わった。
スタッフ
監督:
ロバート・ヴィンセント・オニール
脚本:
ロバート・ヴィンセント・オニール、ジョセフ・M・カーラ
再生対応デバイス:
スマートフォン・タブレット・PC
サービス提供:
株式会社ビデオマーケット
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