箱の中の女　処女いけにえ

84年秋、全米を揺るがす猟奇事件がカリフォルニア州で発覚した。女性ヒッチハイカーが夫婦に誘拐され、7年間もの間、箱の中で飼育監禁されていたというのだ。西ドイツやノルウェーでも同種のセックス・スレイブ事件が続発、大センセーションを巻き起こしている。事件は多くの映画人を刺激した。
「花と蛇」(谷ナオミ)でにっかつSM路線を決定づけ、「奴隷契約書」(松田ナミ)でこの種の事件をいち早く予見した異才・小沼勝監督が、事実に即して、全編「コレクター」「ソドムの市」顔負けの、ドキュメンタルな迫力漲る、SMノワールを誕生させた。
水責め、バイブ責め、陰唇ピアス、開脚緊縛、注射責め等々、想像を絶する凌辱シーンを、よりリアルに再現するため、キネマコーティング方式が探り入れられている。
SM趣味の夫婦に調教される少女に木築沙絵子、妻に葵令子(新人)が扮し、ハードでエキサイティングな演出に応えている。