第1話 出たとこ勝負

第1話 出たとこ勝負

1975年
日本
47分
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 「坊主そば」の主人、半兵衛(緒形拳)はばくち好きのぐうたら亭主、家業はそっちのけで賭場に入りびたり、店はしっかり者の女房お春(中尾ミエ)がきりまわしている。今日もなじみの人足の誘いに半兵衛は店の金を持ってとび出していった。賭場はある藩邸の中間部屋、人足たち相手に一向に目の出ない半兵衛である。
そこへふらりと入ってきた遊び人風の男、政吉(林隆三)が半兵衛をからかった。
 若造のくせに生意気なと怒った半兵衛はサシの勝負を挑む。負け続けで無一文の半兵衛は店と女房を賭けた。人足たちの見守るなかで自信たっぷりの政吉は見事に負けてしまった。
 ある日、半兵衛は店から金も払わずとび出していった男を追いかけたところ、男は近くの材木置場で殺されていた。その場にあらわれた与力三村敬十郎(石橋蓮司)の手で半兵衛は引っ立てられ、殺人の容疑で痛めつけられた。やっと釈放された半兵衛は奉行所の表で実直そうな番頭風の男から迷惑料として小判1枚を手渡された。不審に思った半兵衛は男のあとをつけ、大店のおかみさんらしい女をつきとめた。だがその女も訳を話そうとしない。半兵衛は武器のかみそりを女の首に突きつけて脅したが、動じた様子もなく「あなたの度胸にほれた」と10両の金を渡した。
 数日後、半兵衛は飛脚問屋、嶋屋の奥座敷で先日の2人と向いあっていた。彼等はこの店の女主人おせい(草笛光子)と番頭利助(岡本信人)である。おせいは裏の稼業「仕事屋」の元締で、世の中の弱い人、見捨てられた人たちのために代ってさまざまな”仕事”を請負っており、半兵衛の目の前で殺された男も、仕事屋の1人で、ねらう三村に逆に殺されたのだ。おせいはさっそく半兵衛に三村殺しを30両で頼むという。
 その頃、政吉は身投げしようとする女、おみよ(水原麻記)を助け、彼女の口から権力を利用してゆすりを働く三村の悪業を聞かされた。おみよの父、瓦版屋の源三は三村の悪事を書いたため死罪になった。おみよの必死の頼みで政吉もまた三村殺しを引受けていた。
 利助の仕組んだ接待の場へあらわれた三村に、半兵衛の剃刀と政吉の短刀がほとんど同時に斬りつけた。この仕事が縁で政吉も「仕事屋」の仲間に加わるのだった。
スタッフ
監督: 三隅研次 ほか
脚本: 野上龍雄
脚本: 村尾昭
脚本: 下飯坂菊馬 ほか
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